しあさっての方向

本と音楽と酒と詩

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

さびしい王様

どこでも同じ。どんな場所でも同じ。僕は自分と似た感じの人を見つけて、仕事をしている。僕と同じようなさびしさを抱えた、どこかうまくいっていない誰か。僕はそんな人と出会ってきて、その人のことがよくわかる。 それは友達だったり後輩だったり、時に取…

トリノの冬 2006-2026

トリノ五輪の中盤、特にすることの無い日にスピードスケートのリンクを訪ねた。パシュートも無かった時代、スピードスケートの注目は500mと1000mだった。その日、3000mか5000mが行われていたリンクの熱気に驚かされた。 「ヨーロッパでは中・…

人類史と平野歩夢

平野歩夢、凄かったですね。2本目と3本目、最高レベルの滑りを繰り返す事ができる「再現性」に、強さを感じました。 「実況の人が解説みたい」と家族は笑ってましたが、複雑なトリックの名前を瞬時に言う為に、きっと努力を重ねてきたんだろうなとは思いま…

2006年の上村愛子

そりゃ無いよ。ニュースを見た時にそう思った。高梨沙羅が団体で失格で号泣?なんであんなに努力してきたアスリートの最後が、失格で号泣なんだ。競技の厳しさも五輪の残酷さも、もう嫌というほど味わってきた髙梨に。たとえメダルを逃しても、皆と笑い合う…

2006年の加藤条治

今朝のサンデーモーニング。高木美帆が記録を伸ばせなかった要因として、清水宏保がリンクの氷の話をしていた。髙木選手が滑った前半は会場が暑くて、氷が溶けて柔らかくなっていたのではないかという指摘。有力選手が滑った後半は、製氷の間に場内が一気に…

五輪開会式と、世界の中心について

意外とシンプルだった開会式。 映像やデザインの洗練はさすがだったけど、良くも悪くも圧倒的なものを想定したので、驚きもあった。 二度目の監督を務めたチャン・イーモウが14年前をどう越えてくるのか、そんな気持ちでいたから。 前回の開会式は圧倒的だ…

北京五輪

仕事で関わらない五輪は10年前のロンドン以来。なんだか不思議な感じ。さびしいような、純粋に楽しめるような。 事前に一生懸命取材をして五輪に臨むと、本番が開幕した後に違和感に襲われる。自分が取材してきた選手が急に「みんなのもの」になって遠くな…

飲み込むな

無茶なことを言われた時は「なるほど」と言って、一旦時間を置いたそれは無理筋だと思いながら、相手の気持ちを損なわない落とし所ややんわりと伝える術を考えた たいていのことは何とかなると思ってたいていのことは、何とかしてきた 勝手な期待も、矛盾し…

夕暮れ

大谷翔平の日本での最後のシーズンの頃、ニュースウォッチ9を担当していた。一番ピッチャーで先頭打者ホームランなんかを打っていたシーズン。 大谷の凄さを伝えながら、僕が伝えたくて伝えられない事があった。それは「日本で大谷翔平を見るのは、きっと今…