しあさっての方向

本と音楽と酒と詩

2020-01-01から1年間の記事一覧

ラストコメント

「@@さんの挑戦は続きます」「@@さんの戦いは始まったばかりです」 ディレクターになったばかりの頃は、リポートの最後をそんな風に締めくくろうとして、先輩に笑われた いかにも常套句だと、ま、確かにそれはそうなんだけれど でも語彙の乏しさだけでな…

冬眠

毛布にくるまって、ソファに寝転んで、一日何もしない。 冬眠する動物みたいに体温も低くなって、あまりお腹も空かない。 たぶん、本能的に体や心が回転数を落としている。 あるいは鬱なのか、そもそも怠け者だからという説もあるけれど。 回転数が落ちて、…

損をしているような感覚

損をしていような感覚に、とらわれていないか 自分だけが損をしている 正当な評価や対価を得られていない そんな考えに囚われていないか 努力や苦労が認められず 自分が得るはずのものを、得られなかったとき あるいは 他の誰かが手にしているように思えると…

マントラ

子どもの頃、辛い長距離走とかをしている時に僕はひとつの発見をした。 あんなに辛くて永遠に続くように思われた苦しみも、終わってしまえば終わる。 それどころか、終わった後から振り返ると苦しかった時間も、なんだか懐かしい思い出のようにすら感じられ…

僕の考え

僕は思った 確か、こんな風に新幹線から車窓を見ながら 僕は自分の気持ちを言おうと思った どんな形でも とにかくずっと 言い続けようと思った 僕の気持ちや考えは、僕だけのもの それだけは奪われずに持ち続けようと 僕は思った I think that my thought is…

怒ればよかった

ディレクターとなって初めての打ち合わせのことを覚えている。 頭はいいけれど冷たい人ばかりに思えたその部署で、僕は意見を求められて自分が思っている事を口ごもりながら話した。 僕の意見に、何も返ってこなかった。 誰も賛同も反論もせずに、何も無かっ…

届かないメッセージ

君に送ったメッセージが 半日遅れて 今届いたって 本当かな そんな事あるのかな 信じるけれど もしかして もっと前に送った 僕としては かなり思い切ったメッセージに 返事がなかったのは もしかして まだ君に 届いてないからかな きっと そうかな そうじゃ…

引きこもりラジオ

栗原が心を込めて作った「ひきこもりラジオ」の番組を見ながら、丁寧に作られた優しい番組を見ながら、昔のことを考えていた。一人きりだった時、繰り返し聞いていた音楽がある。 例えばそれは真島昌利のソロアルバム「夏のぬけがら」Train Trainの熱狂のさ…

相対主義時代の金言

岸田秀がどこかで書いていた「あなたが強く共感する意見は、あなたが共感するよう狙って書かれたものかもしれないと用心すべし」的な言葉と、吉本隆明の「絶対に正しいと誰もが言う考えは、絶対に間違えを起こす」的な言葉が、人生の指針です。 (原典見つけ…

啓く

物事がうまくいっている時は思いがけない災いが待っているものだからそんなに浮かれていてはいけない と調子に乗りがちな息子を いつも戒めていた 期待しすぎないこと どんなときも何事も うまくいかないものだと思っていればがっかりすることもないから と…

ハードルと正解

高いハードルなら目指したいけれど 誰かの正解に合わせるのはつまらない 誰かのハードルになるのはいいけれど 誰かの正解にはなりたくない 答え合わせしたくなるときはある 基準があれば安心できるのもわかる でもいつかそれ自身が目的になる 間違ってないと…

ハゲと息子

息子はたまに優しい言葉をかけてくれる。 「ちょっと髪の毛、持ち直してきたんじゃない? 白髪は増えたけど」 やっぱ、優しいなぁ息子。 と、思っていると気付く。 彼は父を心配しているのではなく、自分の将来を心配しているのだと。 (すまぬ、息子)

友達のいない人

友達がいない人と友達になりたいロックは友達のいない人のための音楽だと甲本ヒロトは言ったけれど僕は友達がいない人と友達になりたい 友達がいないとき本ばかり読んでいいたマンガばかり読んでいた音楽ばかり聴いていた誰かのインタビューを読んでその人の…

忘却/抵抗

更地になった場所に 何の店があったか思い出せない 誰かが大切にした店が また一つ更地になった 取り返しのつかないことが 毎日のように起きて 誰かが人生をかけた証が、 跡形もなく片付けられていく 更地になった場所に 何の店があったか思い出せない つま…

罪と前進

もう一度初めからやり直せたらどれくらいいいだろう と思う被害者にも加害者にもならず 歩めたらと でも それはできないこと過去の僕の言動にはきっと権力的で抑圧的なものもあった確実に僕は 多くの人を傷つけてきた 仕方なかったとは言えない被害者でもあ…

変化の時代

変化の時代はチャンスだよね 大勢が変わっていくときにその動きに合わせようとしたりその行き先を先取りしようなんて考えないで みなが変わることだけを目指している時はちょっと違う動きをしてみよう みなが 我先に動こうとする時にはちょっと止まってみよ…

可愛げが大切

なんで自分の考えが伝わらないのかなんで正しいはずの自分の考えが、主流にならないのかそんなことを思う時は、きっと見失ってる正しいかどうかは別にして僕らの考え方やあり方は現状においては少数派かもしれないということを残念ながら そして少数派の考え…

Here we go again

いつだって冷静でいたい楽観的になりすぎず 悲観的にもなりすぎず(でも少しだけ楽観方向で) トップが変われば全ては変わる それは幻想 彼は僕らの弱さを徹底的に暴いたその弱みは今や皆が知っているオレオレ詐偽の手口のように 共有された日本人の弱み 組…

不毛

「そういうのはもういいすから、 早く結論を言ってもらえませんかね」 そんな視線を感じながら、仕事の意義や、過程の大切さを話している時がある。これ、全然届いてないなぁと思いながら(僕と僕の言葉にカリスマ性がないのが問題だ) 不毛だけど、僕らの戦…

仕事を楽しく

たまにバタバタ仕事をしていると「忙しくて大変でしょう」的なことを言われる時がある。期待される答えは「いやまじで辛すぎ、今月ほぼ休んでないよ」なのかもしれないけど、実はそんなに大変じゃなかったりする。忙しいことと大変なことは、イコールではな…

清志郎の素敵な話

忌野清志郎の素敵な話はたくさんあるけれど、一番好きな話は糸井重里の歌詞で「パパの歌」を歌ってた頃の話。(細部はうろ覚え) 渋谷陽一に「人の歌詞を歌うのって、ロックシンガーとして嫌じゃないの?」と聞かれた清志郎が答えた。 「いいんだよ、そんな…

一局の将棋

「それも一局の将棋である」 将棋に夢中になっていた中学生の頃、升田幸三とかプロ棋士の観戦記を読むのが好きだった。その中に良く出てきた表現が〈それも一局の将棋〉だった。 次に指す手に2つの選択肢があり、どちらかが正解とは言い切れない状況。 もし…

忘れてた

いつでも買えると思っていたものは そうではなかったいつでも行けると思っていた場所は そうではなかったいつでも会えると思っていた人は そうではなかったどうにでもなると思っていたことは どうにもならなかった 忘れていた 大切な人のことを必要なものを…

旅立ちの季節

新人研修とかで若者と話す時は、よくこんな話をする。「キャリアを重ねるほど、いい番組を作れるようになると思いがちだけど、そんなことないかもよ」と。そしてこんな事も言う。「ファーストアルバムが最高で、それを越えられないバンドなんてたくさんいる…

「日本的な集団と個人に関する一考察」

・集団化すると日本人は強くなる。しかし強くなった集団は、集団化しない(しようとしない)個人や、集団内の異分子への排他性を高める。 ・集団化にあたっては、個性や個人的な行動への制限が求められる。それは規律という言葉で表現される。集団に属する人…

傾聴ボランティア

コロナの前までは隔週で傾聴ボランティアをしていた老人ホームを訪ねて お年寄りの話を1時間くらい聞く 多くの方は認知症的な感じでいつも同じ話を繰り返す 楽しい思い出を話す人もいれば辛かった話ばかりする人もいる 僕も酔っ払うと同じ話を繰り返すから…

僕らの失敗

失敗した仲間と酒を呑むことがあるちょっとした失敗の人もいるし 結構なレベルの人もいた 僕はいくつかの引き出しから、とっておきの失敗を披露して (それは彼らと同じくらいか、それよりももっと)それを聞くと仲間は力なく、それでも笑う そんな時に僕が…

映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」感想

面白かった! 政治家に密着したストレートなドキュメンタリー。実はそれはある種のコロンブスの卵。マイケル・ムーア的な過激さや森達也のような強い批評性はなく、ちょっと前の民放深夜のドキュメンタリー的なテイスト。でも目が離せない。 主人公の誠実な…

よくある話

大丈夫そうに見える人が 全然大丈夫じゃないなんて よくある話 大丈夫そうに見えたのになんて そんな言葉がずっと 大丈夫そうな人を苦しめていたなんて よくある話

ハラスメント

パワハラとかハラスメントを受けるとはどういう事かというと、心の中にその加害者がい続けるということ。 心の中にその時の上司や先輩や教師がいて、その時の言葉を自分に向けて言い続ける。 「何やってるんだ」 「こんなこともできないのか」 「お前には無…