しあさっての方向

本と音楽と酒と詩

さびしさと友達

どこでも同じ。どんな場所でも同じ。
僕は自分と似た感じの人を見つけて、仕事をしている。
僕と同じようなさびしさを抱えた、どこかうまくいっていない誰か。僕はそんな人と出会ってきて、その人のことがよくわかる。
それは友達だったり後輩だったり、時に取材対象だったりもする。今を生きる人だったり、もういなくなった人だったり。でも君の気持ちは誰よりも、僕がわかるような気がするんだ。
そのさびしさを仕事の形に翻訳して、僕は生きている。
さびしかった君もいつかそうでなくなって、力強く歩んで行くだろうけど
僕は変わらずに、さびしい人の表現を探してる
人工的な光に照らされた、遮蔽物のない部屋。
暗がりを探して、資料室に逃げ込む。
逃げ込んだ資料室にもたくさん人がいて、息が詰まる。
固まりすぎなんだよ、僕らは。
一定の面積の中に一定以上の人がいると、人は集団になる。
もっと皆さびしくなるべきなんだ。昔そんな事を誰かが言っていた。
さびしかった頃の、君の揺らぐ視線を思い出す
何者でもなかった頃の、
かさぶたを剥いたばかりの皮膚のような敏感な感性
それはそれで、困ることはあったけど
うまくいってなかった頃の、君の不安な目を思い出す
今も変わらずに不安な気持ちで、僕は歩いてるよ
自分に似たさびしさを探しながら