天井
僕の頭上に天井がある
それほど遠くない所に天井がある
天井が僕に言う
「空の事は忘れろ」と
空の声は僕には聞こえない
もう少し高ければ不安になり
もう少し低ければ息苦しくなるような
微妙な高さに 天井はいつもある
確かに雨はしのげてる
不自由な事は少ない
そこにある事さえ意識させない
そんな巧妙さで 天井はそこにある
与えられた条件の中での生を全うする事
それは恥ずべき事ではないのだと
あなたは僕に言う
日常にある豊かさを見失ったまま
どこに行くのだ、と。
反抗と僕が思っている行動のほとんどは
「反抗」という経験を積む為の
自己満足なのではないかと
あなたは指摘する
(あなたはいつでも半分だけ正しい)
見上げると天井がある
それほど遠くない所に天井がある
「空の事を忘れて生きろ」と
天井が言う
空の声は
今の僕には聞こえない