しあさっての方向

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理想主義は、まだ負けてない

民主党が政権を取った時、多くの人と同じように僕は強い期待を持っていた。
鳩山さんの友愛な施政方針演説も、かなり感じ入って聞いた記憶がある。

(青臭い事を、青臭く語ること。それは絶対に悪くない)

それから色々あって、今。
多くの人と同じように、僕は落胆している。
それは何なのかなぁと、ずっと考えていた。


現実的な方法論や組織論を持たない「理想主義」が、策もなく敗北したから。
そんな感じかなと、考えもした。

でも、政権末期から代表選挙までのあれこれを見ているうちに
落胆の理由は、ちょっと違うんじゃないかと思うようになった。


理想主義を掲げた(少なくともそのように見えた)人たちが、
本当に理想を目指している訳ではなかった。

その事に落胆しているのだ。


理想主義が、現実の力学に敗れ去ったのなら、
もう一度、理想を鍛え直せばいい。

でも、理想を語った人たちが、実は「理想を語る」事だけを目指した人たちで
それで中途半端に敗北した現実は、もっとたちが悪い。

社会党が政権に入った時に見せたグダグダも、ほぼ同じ構図だった)

「お題目だけ唱えて、現実的には無力な人々」
「自分の理想ばかり追求して、コミュニケーション能力に欠ける人々」

理想主義に、そんなレッテルだけがついて
理想を求める事の価値よりも、
バランス感覚を頼りに、現実的な折り合いを付ける(だけの)力に価値があるように受け止められるようになった
今の状況にこそ、彼らの罪はあると思う。

遠吠えかもしれないが、一応書いておく。

理想主義は、まだ負けたわけじゃない。
日本の政治の世界に、まだそれは具現化していない。