しあさっての方向

本と音楽と酒と詩

深夜の海鳥

暗闇の空と 
暗闇の海の
真ん中で揺られている
 
僕の前に道は無く 
僕の後にも道は出来ない 
ここに僕がいる事さえ 誰も知らない夜
 
泳ぐ意味も
潜る理由も
飛び立つ原動力も
失ってしまったような
元々そんなもの
持っていなかったような
 
せめて雨が降ってくれれば
せめて風が吹いてくれれば
せめて波が荒れてくれれば
生きる事に集中できるのに


穏やかな夜に


真っ黒な空と
真っ黒な海の
真ん中で 揺られている