しあさっての方向

本と音楽と酒と詩

君の必要

バイトやめること きのう主任に話したんだ
だいっきらいな職場だったから もちろんせいせいしたんだけれど
あんまりあっさり許されたから
なんだかすこし 寂しい気持ちにもなったのさ
ちょっとは引き留めろよお前 なんて
言いたくなる感じにさ 勝手な話なんだけどね
 
 
テレビのニュ−スを見ていたら
臓器移植してみたくなったんだ
僕の肝臓と君のやつを交換してみたいのさ
もしそれがうまくいったなら
次は肺にも挑戦してみたい
適応力はあるつもりだから
新しい環境にもたぶんすぐなじめるよ
 
 
あしたからまた
違う場所を探さなくちゃね
転校生のような顔をして
どこかに溶け込んでいかないとね
 
 
君のかわりならば
いくらでもいるのだから
すこし残念だけど
そんなに困ることはないと思う
君にふさわしい場所だって
他にたくさんあるはずだから
心配することもないね
ここでお別れしよう