しあさっての方向

本と音楽と酒と詩

ソナチネ

ロシアンルーレットのように

耳式体温計を頭に突き立てて

ソナチネ北野武のように

僕はニヤリと笑ってみる

 


初めてのことだから仕方ないと

世界中が苦しんでいるのだから仕方ないと

自分たちの失敗の免責を計算して

開き直る人たちがいる

 


逃げ切れると思っているんだろう

確かだったものを曖昧にして

論理と論理を信じる人を無力にして

逃げ切れると思っているのだろう

 


今にしか価値をおかないのであれば

それは正解だ

よりよくあろうと思わなければ

それは正解だ

 


でもそうじゃない

正しい人だって死んでしまう今

因果応報なんて 信じられないけれど

それでも

 


正しくあろうとすることの力を

僕らはきっと知るだろう

よりよくあろうとすることが どれだけ人を勇気づけるかを

僕らは知るはずだ