しあさっての方向

本と音楽と酒と詩

ラストコメント

「@@さんの挑戦は続きます」
「@@さんの戦いは始まったばかりです」

ディレクターになったばかりの頃は、
リポートの最後をそんな風に締めくくろうとして、先輩に笑われた

いかにも常套句だと、
ま、確かにそれはそうなんだけれど

でも語彙の乏しさだけでなく、
やっぱり、こう終わるしかないよな
そんな時も確かにあったのです

たとえばそれは
社会を少しでも良い方向に変えようとする
ささやかな取り組み
当人は、もちろん真剣に取り組んでいるし
応援したい気持ちで取材させてもらったけど

本当に、そんなささやかなことで
世の中は思った方向に変わるのかな
この人だって、いつまで頑張り続けられるのかな
(でも、頑張ってほしいな)

そんな気持ちを込める為のコメントは
その頃の僕には、
そして今の僕にも思いつかなかったりして。

問題は多すぎて
敵はあまりにも強すぎて
勝負の糸口すら見つからないよ
周りには悪いやつらがニヤニヤ笑っていて
もう諦めてしまった方が楽になれる気もするよ

それでも続けていくことで
どこかに繫がっていくこともあるし、
20代の頃に稚拙なコメントで取り上げた人だって
多くは今も頑張っている
そして僕も変わらず 伝える仕事を続けている

敵はあまりにも強く見えるし
勝負に持ち込む糸口すら見つからないし
周りには悪いやつらがニヤニヤ笑っているけれど

やっぱり僕はこう言おう

「僕らの挑戦は、まだ始まったばかりです」
「僕らの戦いは続きます」

生き延びるための戦い
人々に勇気を与える挑戦
社会を少しでも良い方向に変えるために
一人きりで諦めそうな人と手を結ぶために

素敵な常套句を、2020年のラストコメントに

「僕らの戦いは、まだ始まったばかりです」
「僕らの挑戦は、続きます」