しあさっての方向

本と音楽と酒と詩

酒の旅

誰かに会いたくて ひとりで酒を飲む男

どこかに行きたくて ここでひとりで飲む男

 

ビールを飲んで 僕は旅に出る

陽気な自分がいる国へ

たくさんの自分が

それぞれ勝手に

胴上げしたり 胴上げされたり

サンバを踊ったり マンボを踊ったり

陽気な自分ばっかりの国

そんなかで僕は

ビールを飲んでニコニコ笑ってる

 

 

時間が経つと僕は

日本酒を飲んで また違う旅に出る

日本酒を飲んで僕は

内側へ通じる扉を開ける

進化論の道を逆にたどって

ありえたかも知れない人生を体験してみる

あの道を左に行ったなら 今頃

僕は 魚だったかも知れないし

君の 友達だったかも知れない

甲子園以上のトーナメントを勝ち抜いた結果

この

ろくでなしなのである

 

 

酔っぱらってますか?

(酔っぱらってますとも)

楽しんでますか?

(楽しんでますとも!!)

 

 

いい感じになって僕は

焼酎をオレンジジュースで割って旅に出る

たくさんの焼酎を ちょっとのジュースで割って

わて 旅にでますねん

地図からいなくなる旅へ

誰でもなくなる旅へ

何もいらなくなる旅へ

 

ふわふわしながら

僕は答を見つけたよ

ふらふら歩きながら 僕は

何か答えを見つけたよ

ああ そっか そういうことだったんだって

すーっと軽くなったんだ 

真理なんかじゃなくって

言葉ですら無い

だけど

なんで忘れてたんだろう

なんで忘れてたんだろう

 

すーっと軽くなって 僕は

すとんと眠ったんだ

ビールも 日本酒も 焼酎も 

全部そのままで

グラスも 氷も 柿ピーも オレンジジュースも

全部そのままで