しあさっての方向

本と音楽と酒と詩

さよなら4月

平成が始まった年に、僕は高校2年生でした。
井上陽水のCMが叩かれたのが、平成の始まりの出来事で、
平成はつまり「自粛の時代」だったって誰かが言ってたけれど、本当にそう思います。

その時代の最後に、石野卓球がひとりで風穴を開けた意味はとてつもなく大きいと思っていて、
きっと自分の感性を信じて勇気を持って戦う時代が始まる、
というか続いていくのだと。

酒を呑み始めたのも平成の時代でした。

一気呑みばかりしていた時もあったし、一番搾りが流行ったり、モルツモルツと歌っていた時もありました。
夏子の酒」の知識だけで吟醸酒を語ったり、
プレミアム焼酎を有り難がったり、騙されたり。

ボジョレヌーボーには1ミリもなびかなかったけど、
ハイボールはお好きでしたし、ホッピーは今でも大好きです。

そして、最後の晩餐ならぬ、最後の一杯は
(いや何杯かはわからないけど)
「いも麹 芋」
鹿児島の小さな酒造のこだわりの杜氏が、
100%芋だけで作ったこだわりの焼酎です。
(芋の麹って、ほとんど無いんです)

時代が変わることを年号に託すのは、どうかと思うけど、
(平成にありがとう、もどうかな)
節目の時に自身を見つめ直すのは、悪くはない気もします。

大きな物語に対置されるべき、小さな個別の物語。
それを
大きな会社の中で、どれだけ実現できるか。
誰とも比較せず、できるだけ朗らかに。

そんなことを考えて終わる平成です。