しあさっての方向

本と音楽と酒と詩

ほろ酔い

遠くから音楽が聞こえてきて
しずかな時間が近付いてくる
ひとりの部屋で
気持ちの良い お酒を呑んでいる
見えなかった自分や 見えないふりをしてきた事が
浮かび上がってくる


いいことも悪いことも してきた
いい人ともそうでない人とも 交わってきた


力があって その力を良いことに使わない人
いい人なのに そうでない人に負けてしまう人
自分のなかにあった 目的を見失って
自分をうまく 運転できなくなってしまった人


遠くから音楽が聞こえてきて
美味しいお酒が からだをめぐって
僕は 何かしら 思い出している


そういえば
全部 自分の力で変えてみせると 意気込んでいた
そういえば
全部 自分のアイデアでひっくり返すんだと 信じていた
そんなことも 忘れていた
便利な 人間の こころの 仕組み


ずっと遠くから静かな音楽が聞こえてきて
もっと強いお酒を呑んで
僕は もう少しで 寝てしまうよ
何も 解決しないで


今週のお題「わたしの部屋」