しあさっての方向

本と音楽と酒と詩

長田弘

「人間は、一つの死体をかついでいる

 小さな魂にすぎない」

 さよなら、きみのことを

 ほんとうは何も知らなかった(世界は一冊の本)

 

静けさをまなばなければいけない。

聴くことをまなばなければいけない。

よい時間でなければ、人生は何だろう?(黙されたことば)

 

 何もすることがないときは、言葉で旅をする。

一冊の本と一杯のコーヒー。

騒がしい街の店のかたすみに座って、一人ぶんの沈黙を探す(私の好きな孤独)

 

 長田弘(1939ー)