しあさっての方向

本と音楽と酒と詩

ボクシング 心の名勝負

ナンバーの企画に応募した文章です。

(国内編)
第1位:鬼塚勝也×李 炯哲

あの頃「疑惑の判定」と言われ続けながら、世界王者であり続ける事に病的なまでにこだわり続けていた鬼塚。
網膜剥離を患っての最後の戦いで見せた本来の攻撃的なボクシングと、壮絶なKO負け。
当時22歳の新入社員で世の中に押しつぶされそうだった自分にとって、鬼塚の敗北は自分の敗北のように感じられた。

第2位:坂本博之×畑山隆則

両手を前に突き出しながらの、坂本のスローモーションのようなKOシーン。
最後の昭和ボクサーの最期、だったような。
その出自、そのファイトスタイル、そして晩年の悪戦苦闘も含めて、
坂本博之の生き様は、すごいとしか言いようがない。

第3位:辰吉丈一郎×ビクトル・ラバナレス(第2戦)

辰吉の試合をどれか一つに絞るのは難しいけれど・・・・
ラバナレスという規格外の怪物との戦いは、まさに死闘でした。
ラバナレスのパンチがなんで当たるのか、まったく理解できなかった。

(世界編)
第1位:ホリフィールド×ボウ(第1戦)

11R、ボウの後頭部へのパンチでフラフラになったホリフィールドが、
後半死にもの狂いでパンチを打ち込んで、あわやの場面まで盛り返す姿に震えるほど感動した。

まさに、スラムダンクの「断固たる決意」という感じ。

第2位:ドネア×モンティエール

ドネアのフックで足がしびれてしまったモンティエール。
腕を使って、腕立て伏せのように立ち上がろうとする姿に感動した。

第3位:ハグラー×レナード

最終ラウンド、レナードのグラブを振ってのアピールに、
武骨なハグラーが同じアピールを返す仕草が良かった。

千手観音のようなレナードの速射砲にも驚かされた。