しあさっての方向

本と音楽と酒と詩

若き日のリンカン

WOWOWジョン・フォードの「若き日のリンカン」を見る。
アメリカの良心、みたいな映画。すごく良かった。
アメリカの人が、何か迷った時には、たぶんこの映画を見て
自信とかアイデンティティを取り戻すんだろうなって思った。
たとえば、今のアメリカの正義が、この映画が描いたものと全く違った方向に行った時なんかに。

そして、自家製ハイボールを飲みながら、なんとなく考えた事。

アメリカという国にはアメリカという国の「死」と「再生」のサイクルがあって、
たぶん、日本にも日本の「死」と「再生」のサイクルがあるんだろうな、と。

(日本の原発を巡るあれこれと、
アメリカの911からテロ戦争を巡るあれこれは、どこか似ている気がする。)

一つの国や国民の「いい部分」と「悪い部分」が、
表裏一体に交互に表れてくるのは、どの国も同じで、
それは、その国の国民が乗り越えなければいけない事だけど
それを必要以上に恥じる事はないんじゃないかと。

(日本人は、昔から変わらず、実直さと軽薄さを併せ持つ人々なんだと思う。
前者だけを強調して、今を恥じるのはたぶん正確じゃないような気がする)

大事なのは、これからどうするか。
自分の国のイヤな部分や、弱い部分を見据えた上で。
(自分をそこから除外せずに)