しあさっての方向

本と音楽と酒と詩

引っ越し終了

職場で後輩の構成を待つ時間。
いつ、のぞきに行ったものか
アドバイスはどれくらいするべきか
結構悩むんですよ。


引っ越しは無事終りました。
まだ段ボールはたくさんですが。
4月には、家族が来る家なんで、
あんまり汚すと(何かと)大変なので
広い家で、
ひとり恐る恐る暮らしています。


いつも引っ越しの時は、ネット開設の手続きを忘れてしまい
今回もしばらくは、自宅はネットなし。
でもそれが意外と良かったりして。


んで
昨日はメタリカの映画「真実の瞬間」を見ていました。
最初は、自分がなんで借りたかも覚えてなかったのですが
(今も謎)
途中からもの凄く引き込まれました。
すげーっす。
メタリカ知らなくても、見た方がいいっすよ。



新アルバムが出来るまでの密着ドキュメントで
分裂しそうな(実際一時分裂したり、メンバーが脱退したり)バンドが
いかにその危機を乗り越えるか、なんですが、
その生々しさは、並じゃないっす。
ある意味「GET BACK」を越えてます。


曲やアルバムはいくつか知ってましたが、
メンバーはドラムのラーズ・ウルリッヒくらいしか知らなかった自分でも楽しめたので
メタル嫌いじゃなければ、たぶん大丈夫っす。


物語は、
ドラムのラーズとヴォーカルのジェームスの確執を軸に進みます。
独善的な「強さ」と、アルコール中毒になってしまう「弱さ」を併せ持つジェームスと
自らの音楽的才能や感性に忠実であろうとするが故に、
あらゆる局面で妥協を嫌い、もめ事を巻き起こしてしまうラーズ。
そこに、セレブリティ御用達のメンタルトレーナー的な人が介入し
さらに、その状況を映画クルーが常に撮影し続ける・・・・。


そのカオス的な状況は、
「この人達は本当に問題を解決する気があるのか」って気もしますし
映画のラストまで、
いつ解散してもおかしくない争い続きですが
随所にはさまれるセッションは、どんなに仲違いしていても格好いいんです。
特にドラムとヴォーカルは、最高。
もの凄い高いレベルの内輪もめなんだって事がわかります。



多くのバンドは、初期衝動の幸福を時期を越え
頂点に登り詰めるまでの冒険の時期を過ぎ、
そして栄光の瞬間をつかんでしまった「その先」では、
なかなか、集団のテンションを保つのが難しくなるのですが


(繰り返しか、縮小再生産か、発展的解消か)


このバンドは、その先のその先のさらに先の栄光を探して
文字通り身を裂くような苦しみの場所に、あえて突っ込んでいくのです。
だんだんと、その勇気と覚悟に感動を覚えます。




自らのエゴを仲間とぶつけ合いながら、一つのものを作る難しさと、
その難しさを奇跡的にクリアできた時の、至福の一瞬を知っている全ての人にって感じです。。




それでも切ないのは
ラーズが1980年代のバンド結成初期の思い出を
本当に美しく語るシーン。
それが、
ジェームスとの唯一の蜜月の時期だったと言うのです。



悲しみも、怒りも、絶望も、希望も(そしてビジネスも)
とにかく、とんでもないスケールなんだってのが伝わってくる映画です。



・・・・。


あ、
そして我らが伊藤政則先生も、日本のメタル界を代表してちょっと写ってます(笑)


では
そろそろ後輩の仕事をのぞいてきまする。