エリックを探して
今日から小倉で始まったケン・ローチの「エリックを探して」を見ました。
実在のサッカー選手エリック・カントナが本人の役で出演しているこの映画。
ケン・ローチの描く、厳しくも暖かいworking classの世界が最高でした。
人生最大のピンチ、というか
かなりどん底な毎日の中で、更ににっちもさっちもいかないピンチに陥った主人公エリック。
それを助けてくれるのは、彼のヒーローであるエリック・カントナであり、職場の仲間というストーリー。
要約すると陳腐だけど、背景となる主人公の生活や社会背景が重いものであるだけに、ファンタジーな部分に素直にのっていけるんです。
エリック・カントナ。
サッカーには疎く、全然知らなかったのですが
相当凄くて、言動もユニークな選手だったらしいです。
(観客に飛び蹴り食らわした「カンフーキック事件」で知られているとか)
そして、ケン・ローチ。
去年の夏に北九州に来てから「労働者階級」って事をよく考えます。
イギリスの人達が、貧しくても「尊厳」を失わずに生きていられるのは
良くも悪くも「階級的な連帯」というものが、まだ残されているからなんじゃないかなと。
最近の「無縁社会」って切り口もあるけど、もっと単純に「仲間をどう作るか」って事の方が、僕らの世代にはリアルかなぁとか。
今の日本の「弱者が、さらに弱者を叩く」ような世界を、どう変えていけるのか。
たとえ貧しくても、自分を惨めに感じる事なく生きていける世の中を作れないか。
ケン・ローチの映画を見るといつも、そんな事を考えます。
今週のお題人生最大のピンチ!