しあさっての方向

本と音楽と酒と詩

20代の空想

うまく出来なかった夜の事を たまに思い出す
うまく出来なかった夜の事を たまに思い出す
 
うまく出来なくてあの夜は ただ二人で並んで寝た
うまく出来なくてあの夜は 関係ない話をしてごまかした
申し訳なくて お互い恥ずかしくて
もう一度試してみて それでもやっぱりダメで
本当にダメだった
 
あの時 出来ていたら 
僕らはどうなっていたのか
あの時 出来ていたら 
その後もうまくいったのかもしれないと
たまに想像する時がある
もしかしたら まだ一緒にいたのかもしれないと
たまに考える時がある 
とても切ない
 
あの夜 うまく出来なかった僕を 君は責めなかった
なんだか困ったような顔で 
もっと複雑な表情で 君は僕を見た
君は何を言いたかったか
君は何を言いたかったのか
あの夜の君の顔を 僕はおぼえている

うまく出来なかった夜の事を たまに思い出す
それっきりになってしまった君の事を
たまに思い出す